・・・はるか伝説の島の『クライトン』を観に来てくださったお客様、本当にありがとうございました。アンケートにもご協力頂きありがとうございます。
たくさんのアンケートでは、お褒めの言葉、反省するところ、うれしい一言、考えること等々、いろいろな、そして貴重なご意見をいただきました。
しずおか演劇祭実験劇場では、精一杯の力を出しているつもりではありますが、限られた時間・人・予算・技量(制作面、演出面、演技面)の中で至らない点も多く、皆様の意見を真摯に受け止め、今後の活動に活かしたいと思っております。
これからも応援・ご協力よろしくお願いします!
さて、今回のお芝居では、人が活きることがテーマの一つです。
150日もの稽古によって、人と人が交流(繋がり)し感化しあうことにより、そのエネルギーが舞台上に出ていたように思います。
アンケートの中でも、役者が活き活きしていた、楽しそうだった、と言う感想をたくさんいただきました。
いままでも書いてきたように、稽古場の雰囲気、楽屋の雰囲気はものすごく、そこにいるだけでハイテンションが乗り移ってしまった感があります。
お祭りなのですから、いいのかもしれません。
ただ、私自身としては、もう少しスタッフとして冷静な行動を取るべきだったのかなと少し反省しています。
自分たちだけ盛り上がって、その分、お客様が引いてしまった部分がないのか、自問自答してもいます。
とは言っても・・・
私自身がこの公演中に感じた隠れたテーマは、ずばり!『赦し』です。
社会からはみ出した浮浪者たち。
島での幸せな暮らしを破壊し、住人たちを殺した黒い船団。
階級が逆転し天狗になったクライトン、そして現実に戻り打ちひしがたクライトン。
英国階級の中でしか暮らせないローム伯爵一行。
一方から見ると、付き合いにくいと言うか正しくない(と言うか)人たちです。
常識外れかも知れません。
でも、私達の常識ってどのくらいのものなのでしょうか?
社会の秩序のためにはある一定のルール(常識)は必要です。
ただ、最近、その一定のルール(常識)が一人歩きして、画一的・統一的な思想に陥りそうな危険な感じがしています。
元来人間が持っているべきパワーが、押し込められ、出口がなくあらぬ方向に噴出している気がします。
人間も含め、自然界そして宇宙にはありとあらゆるものが混沌としています。
無限の時間・空間の中で、混沌とぶつかり合い、交じり合い、エネルギーを出していく。
人間も同じだと思います。
整然と整列していたのでは、氷と同じです。身動きが取れなくなって冷えてしまいます。少しでも動こうとすると亀裂が生じます。
混沌ぐらいバランスの取れたものはないと思います。だって、今までそうして自然はやってきたのだから・・・
いろんな人がいていい。
いろんな矛盾があっていい。
正も悪も一緒くたにあっていい。
自分を赦し、他人を赦し・・・
今回、私はいろんな面で佐野さんの足を引っ張りました。そして貢献もしました。
それでいいんじゃないかな
以上、独り言でした。